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幻となった史上最大の恐竜。体長・体重の比較【アンフィコエリアス・ブルハトカヨサウルス・セイスモサウルス】

「アンフィコエリアスって、実在したの?」

「昔、史上最大っていわれてた恐竜って、今はどうなってるの?」

 

 

この記事では、”幻の”史上最大級の恐竜について、紹介します。

 

 

 

 

2021年現在、ある程度の高い確実性をもって、史上最大級の恐竜といわれているメンツは、以下のようなもの。

 

 

  • アルゼンチノサウルス…体長30~45 m?、体重80~100 t。史上最大種の有力候補。
  • サウロポセイドン…体長28 m、体重50 t
  • ドレッドノータス…体長26 m、体重22.1~38.2 t。完全性の高い骨格が見つかっており、信頼度が他の大型竜脚類より高い。(全身骨格の骨の種類のうち、70.4%が揃っている)
  • マメンチサウルス…体長35 m、体重27 t。

 

 

しかし、過去には、これらを軽く凌駕すると考えられていたヤツらがいました。

 

 

というわけで、今ではほとんど幻となった、過去の史上最大の恐竜について、見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

セイスモサウルス

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まずは、セイスモサウルス。ちょっと前の図鑑だと”史上最大級の恐竜の1つ”として当たり前のように載っていたので、割と有名な予感。

 

 

テレビ(NHKスペシャル)で特集されたこともあります。

 

 


✔発見当初(1979年)の推定

  • 種名: セイスモサウルス・ハロルム
  • 体長: 50〜60 m

 

✔2021年現在の学説

  • 種名: ディプロドクス・ハロルム
  • 体長: 33 m
  • 体重: 10~20 t

 

 


発見当初は、50〜60mという推定。あまりに巨大で歩くと地震が起きそう、と言うことで、”地震トカゲ”の意味を持つ名前を付けられました。その後いくらか下方修正されたものの、長い間、体長35〜40m位の史上最大級の恐竜として認識されていました。

 

 


しかし、2004年にディプロドクスの1種に分類し直され、セイスモサウルスは無効名に。「ディプロドクス・ハロルム」という種名になりました。体長は、推定33mまで下方修正。それでも、2021年現在、体長において最大級の恐竜の1つであることに変わりはありません。

 

また、旧セイスモサウルスが属に組み込まれたことで、ディプロドクスは一躍、史上最大級の恐竜の1つに(それまでは体長27m位とされていた)。ちなみに、他の最大級の恐竜に比べて体重が軽めなのは、尾がムチのように長く、サイズを稼いでいるからです。

 

 

 

セイスモサウルスの名前は幻の存在になりましたが、サイズの推定は割と確実性高めです。

 

 

 

 

 

 

ブルハトカヨサウルス 

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続いては、ブルハトカヨサウルス。一気に確実性は低くなります。

 

 


✔Mickey Mortimer (古生物学者)による推定

  • 体長: 48〜55 m
  • 体重: 230〜250 t

 

✔Matt Wedel (古生物学者,2008年5月)による推定

  • 体重: 269 t

 

 


サンスクリット語で”巨大な体のトカゲ”(厳密にはサウルスはラテン語)。

 

 

このブルハトカヨサウルス、洪水により化石が失われています。2021年現在において本種の唯一の証拠は、簡単な骨のデッサンのみ(線画程度で、特徴はほとんどわからない)。そのため大きさの推定も、「原記載論文の内容が正しい」と信用した上での、確実性の低い憶測です。

 

 


記載によれば、ブルハトカヨサウルスの脛骨の長さは約2m。これは、1.55mであるアルゼンチノサウルスより、29%長い数値。また、大腿骨の破片も、アンタルクトサウルス(体長不明・推定体重69t)より33%大きい数値。これらから、何人かの研究者が、ブルハトカヨサウルスの大きさについて推定しています。

 

 

  • 体長: 48〜55 m
  • 体重: 230〜250 t or 269 t

 

 

体長もそれなりに頭1つ抜けていますが、着目すべきは体重。200t超え。これは、既知の史上最大の動物・シロナガスクジラをも上回る数値。アルゼンチノサウルスなんか比較にならず、軽く倍以上です。

 

 

確実性が高い、最大級とされる恐竜のサイズ目安と比べると、あまりに桁外れ。重力による負担を考えると、陸棲動物ブルハトカヨサウルスが海棲動物シロナガスクジラより重くなるのも、疑問を抱かざるを得ません。

 

まぁ研究者の方がおっしゃっているので(正式な論文ではなくインターネット上で言及)、何とも言えないところですが、、。

 

 

 


とにかく証拠自体が不確実なため、サイズ推定もおのずと不確実にならざるを得ない恐竜です。筆者は、正式に図鑑に載っているのすら見たことがありません。(巻末にちょろっと紹介程度ならみたことあり)

 

 

 

ちなみに、発見当初は獣脚類、つまり肉食恐竜の1種だと考えられていました。1995年以降、ティタノサウルス科の竜脚類の1種であるという説が有力になった経緯あり。

 

 

 

 

 

 

マラアプニサウルス(旧アンフィコエリアス)

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幻の巨大恐竜といえばコイツ、アンフィコエリアス。現在の名前はマラアプニサウルス。

 

 

えーといきなりややこしいんですが、、。アンフィコエリアスは元々、「Amphicoelias altus」と「Amphicoelias fragillimus」の2種が知られていました。そのうち史上最大級の可能性がある方「Amphicoelias fragillimus」が「Maraapunisaurus fragillimus(マラアプニサウルス・フラギリムス)」という名前に改名された経緯です。

 

 

元の名前を引き継いだ「アンフィコエリアス」という名前の恐竜は、25m位の「Amphicoelias altus」の方で、今では全く別種として存在します。

 

 


✔グレゴリー・ポール(古生物学者,1994年)による推定

  • 種名: アンフィコエリアス・フラギリムス
  • 体長: 40〜60 m

 

✔ケネス・カーペンター(古生物学者,2006年)による推定

  • 種名: アンフィコエリアス・フラギリムス
  • 体長: 58 m
  • 体重: 122.4 t

 

✔ケネス・カーペンター(古生物学者,2018年)による推定

  • 種名: マラアプニサウルス・フラギリムス
  • 体長: 32 m

 

✔グレゴリー・ポール(古生物学者,2019年)による推定

  • 種名: マラアプニサウルス・フラギリムス
  • 体長: 35〜40 m
  • 体重: 80〜120 t

 

 


これまでに見つかったマラアプニサウルスの化石は、巨大な椎骨と大腿骨のみ。しかしながら、1870年〜80年頃に発見された後、化石が行方不明に。2021年現在でも見つかっていません。マラアプニサウルスに関する手がかりは、図面やフィールドノートだけです。

 

 

▼復元されたレプリカ

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長い間、マラアプニサウルスは、尾や首が非常に長いディプロドクス科の恐竜と考えられていました。そして、図面の記録によると、巨大な脊椎の化石は高さ1500mm(元の大きさは2700mmと推定)。脊椎の大きさとディプロドクス科の体のバランスから導き出された推定体長は、なんと最大60m。この推定が正しいなら、ぶっちぎりで史上最大の恐竜です。

 

 

▼ディプロドクス科と考えられていた頃の姿を描いた、イラスト

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しかし、マラアプニサウルスもまた、証拠が不確実な恐竜。脊椎の大きさ1500mmは1050mmのタイプミスでは?とも。もし記載ミスなら、推定サイズは大きく下方修正されます。(1380mmという説も)

 

 

さらに、残された脊椎骨のスケッチをよくよく見ると、「そもそもディプロドクス科じゃないんじゃね?」という説が。首や尾があまり長くないレッバキサウルス類の脊椎骨に、酷似していたのです。(改名の原因はこれ)

 

 

 


というわけで、レッバキサウルスの体型をもとに、大幅に下方修正。

 

 

▼レッバキサウルスの体型をもとにした復元図

 

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▼レッバキサウルスの体型をもとにしたイラスト

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  • 体長: 32〜40 m
  • 体重: 80〜120 t

 

 

…これでも充分、巨大ですが。体長体重ともに、アルゼンチノサウルスに匹敵するサイズです。とはいえ、既知の史上最大級の恐竜のサイズ並みに。体長60mの巨大生物は、やはり幻になりました。

 

 

 

 

 

まとめ

 

今では幻となった巨大恐竜について、みてきました。

 

 

恐竜のような古代生物は、化石や既知の情報をもとに、その姿を推測するしかありません。それゆえ、今の常識とされている学説さえ、将来的に変わる可能性も十分あり。

 

 

こうした学説の変遷を見るのも、また一興。これからの新たな発見や研究にワクワクが止まりませんね。ロマンです。

 

 

それでは、また。

 

 

 

 

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