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史上最大と言われている陸上哺乳類【パラケラテリウム・松花江マンモス・ナルバダゾウ】

 

「史上最大の陸上哺乳類って、どの種類?」
「陸上に、アフリカゾウより大きな哺乳類って存在したの?」

 

 

太古の巨大生物といわれて1番に思い浮かぶのは、恐竜。しかし、哺乳類にも恐竜に負けずとも劣らないサイズの生き物が地上を歩いていたことは、あまり知られていない事実です。

 

 

本記事では、史上最大の陸上哺乳類について見ていきます。

 

 

 

 

史上最大の陸上哺乳類のサイズ

 

えーと、結論から言うと「史上最大の陸上哺乳類」には、いくつか候補がいるんです。で、それら最大候補のサイズ感を先に見ておきましょう。

 

 

✔史上最大級の陸上哺乳類

  • 体長: 7〜8m
  • 体高: 約5m
  • 体重: 約20t

 

 


数字だけ見ても、いまいちピンと来ないかもしれません。
比較として、現生種の中で最大の陸上哺乳類であるアフリカゾウは、だいたい以下。

 

 

✔アフリカゾウ

  • 体長: 4〜5m
  • 体高: 3〜4m
  • 体重: 4〜7t

 

 

最大の生物を決める場合、最も重視するのは「体重」。

 

 

アフリカゾウは、最大でも10tと言われています(十分でかい)。史上最大の陸上哺乳類は、アフリカゾウの軽く倍以上の体格を持っていたといえます。

 

 


ついでに、恐竜とも比べておきましょう。

 

有名な大型肉食恐竜・ティラノサウルスは、以下。

 

 

✔ティラノサウルス 

  • 体長: 12〜13m(尻尾含む)
  • 体高: 4〜6m
  • 体重: 6〜9t

 

 

体重を見ると、史上最大の陸上哺乳類は、ティラノより遥かにデカイです。

 

 


体長では史上最大の竜脚類の1つとされる、ディプロドクス(旧セイスモサウルス含)は、以下。

 

 

✔ディプロドクス

  • 体長: 20〜33m(尻尾含む)
  • 体重: 10〜20t

 

 

つまり、史上最大の陸上哺乳類は、大型竜脚類並みのサイズと言えるでしょう。

 

 


では、いよいよ史上最大の陸上哺乳類の候補を、具体的に見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

史上最大級の陸上哺乳類①:パラケラテリウム

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史上最大級の陸上哺乳類として最も有名であろう生物が、「パラケラテリウム」。

 

 

  • 種名: Paraceratherium orgosensis (パラケラテリウム属の一種)
  • 体長: 7.4m
  • 体高: 4.8m
  • 体重: 11〜20t

 

 

およそ3,600万〜2,400万年前に生息していた、サイの仲間。「パラケラテリウム」というのは種名ではなく、属名です(パラケラテリウムにも何種かいる)。

 

 

以前は「パラケラテリウム」「インドリコテリウム」「バルキテリウム」の3属に分けられており、近いものの別の種類と考えられていました。一昔前では、インドリコテリウムが最大種とされていたので、図鑑などで見覚えがある方もいるかと。

 


現在では、3属は同一とみなされ、最初に名付けられたパラケラテリウムに統一されています。

 

 

▼昔(2000年ごろ)の図鑑。

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▼アフリカゾウとの比較。

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▼大型肉食恐竜アクロカントサウルス(ティラノサウルスとほぼ同サイズ)との比較。

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バケモンですね。肉食恐竜にも勝てそうなサイズです。

 

 

以前は最大で体重30tとも言われていましたが、いくらか下方修正されたようです。

 

 

 

 


長年、パラケラテリウムが、史上最大の陸上哺乳類として認識されていました。ところが、パラケラテリウムと同じ位か、もっと大きいのではと言われる動物が出てきたのです。

 

 

 

 

 

 

史上最大級の陸上哺乳類②:松花江マンモス

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パラケラテリウムとは別に、史上最大の陸上哺乳類として候補に挙げられているのが、「松花江マンモス」。名前の通りマンモスの一種です。

 

 

  • 種名: 松花江マンモス
  • 体高(肩高): 5m
  • 体重: 20t

 

 

金子隆一氏(1996)は、体重・体高を上記のように推測。この数字だと、体重・体高ともに、パラケラテリウムを上回っています。

 

 


あくまで個人の研究ですが、発見された化石のサイズから、ある程度の信憑性あり。

 

 

松花江マンモスの骨盤の幅は、2.5m。ここから推測される体の幅は、一般的に最大のマンモスとされる「ステップマンモス」(推定体重12t)と比べ、約3分の1大きくなるそう。20tも、現実味を帯びてきます。

 

 


▼パラケラテリウムとの比較。

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▼アフリカゾウとの比較。

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とはいえ、パラケラテリウムもそうであったように、推定体重は修正される可能性も十分にあり。そもそも、松花江マンモスはまだわかっていないことが多いマンモス。2021年時点では、ステップマンモスに含める学説が主流のようです(Wikipedia情報)。

 

 

今後の発見や研究次第ですね。

 

 

 

 

 

史上最大級の陸上哺乳類③:ナルバダゾウ

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もう1種類、史上最大の陸上哺乳類候補に挙げられているのが、ナルバダゾウ
ナウマンゾウの仲間です。

 

 

  • 体高(肩高): 5.2m
  • 体重: 22t

 

 

パラケラテリウムや松花江マンモスよりも、さらに大きい数字。

 

 

とはいえ、断片的な脚の骨の化石が見つかっているだけに過ぎません。あくまで大腿骨の化石から全身の比率を推測し、推定したサイズ。

 

 

今後の研究や新たな化石の発見次第で、修正される可能性も十分にあります。

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

史上最大の陸上哺乳類について、まとめました。

 

 

いかんせん、発見された化石から全体像を推測するしかない、古代生物。完全な全身の化石が発見されることの方が珍しいので、正確な姿を再現するのは難しいものでしょう。

 

 

これからの研究次第で、史上最大の座は変わってくるかもしれませんね。

 

 


それではまた。

 

 

 

 

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追記:2021年6月にパラケラテリウムの新種「Paraceratherium linxiaense(パラケラテリウム・リンシャエンセ)」が認められ、部分的に見つかった化石から体重24tと推測されているよう。

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