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【2021年最新】ティラノサウルス羽毛説の衝撃。やっぱりモフモフ?ウロコ肌?最新研究は…?

「ティラノサウルスに羽毛が生えてたって本当?」
「最新の学説は、どうなってるの?」

 

ウロコのティラノサウルスに見慣れた恐竜ファンにとって衝撃だった、ティラノサウルス羽毛説。

 

ティラノサウルスと羽毛にまつわる、最新の学説について見ていきましょう。

 

 

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羽毛が生えたティラノサウルスのイラスト



 

 

 

 

先に結論:2021年現在は、ウロコ説が主流【ティラノサウルス】

 

先に結論ですが、2021年現在の学説は、ウロコ説が主流

 

どんな経緯でウロコ説→羽毛説→ウロコ説に至ったのか、見ていきましょう。

 

 

 

 

ティラノサウルス羽毛説にまつわる、学説の変遷

 

ティラノサウルス羽毛説にまつわる学説の変遷を見ていきましょう。

 

 

羽毛説の高まり ーティラノサウルス科羽毛恐竜の発見ー

 

羽毛説が高まったきっかけは、ティラノサウルスと近縁の中型恐竜「ユウティランヌス」の化石から、羽毛が発見されたこと。この発見によって、「同じ科であるティラノサウルスにも羽毛が生えていたのでは?」と考えられるようになったのです。

 

それ以前にも、一部の獣脚類に羽毛が生えていたことは知られていました。鳥類が恐竜から進化したのは、現在では定説。実際に、鳥類の祖先にあたる小型獣脚類からは、羽毛が生えた化石が発見されていました。

 

ティラノサウルスに羽毛が生えていたかもしれないと言う説は注目を浴び、モフモフの復元図も制作されました。

 


ウロコ説の巻き返し ー大型種からはウロコが見つかるー

 

一旦は高まりつつあった、ティラノサウルス羽毛説。ところが、ウロコ説が勢いを盛り返してきます。

 

タルボサウルス・ダスプレトサウルス・アルバートサウルスといったティラノサウルス科の大型種の化石から、ウロコが見つかったのです。

 


この発見によって、同科の最大種であるティラノサウルスも、ウロコで覆われていた可能性が高いと考えられるようになったのです。とはいえ、生きていたときの全身の姿はわからず、羽毛が生えてなかったとは断言できません。体の一部は羽毛に覆われていた可能性も否定できないでしょう。

 

 

ウロコ基調・部分的に羽毛が生えていた説

 

ティラノサウルスにもし羽毛が生えていたとしても、部分的である可能性が高いと考えられています。

 

羽毛が見つかったユウティランヌスは、推定体重1.4t。ティラノサウルスの仲間にしては決して大きい方ではありません。体が小さいことは、熱が逃げやすいことを意味します。体温維持のため、表面を羽毛で覆っていても不思議ではありません。

 

対して、ティラノサウルスの推定体重は、5〜8t。一般に、巨大な体を持つ動物ほど体温が逃げづらく、体温維持の必要性は低いと考えられます。実際、現生のゾウなどの大型動物にも、毛はほとんど生えていません。

 


また、ティラノサウルスよりさらに巨大な竜脚類は、変温動物だったにもかかわらず、昼間にため込んだ太陽の熱や代謝で発生する熱だけで(あたかも恒温動物のように)体温維持ができたという「慣性恒温説」が唱えられているほど。

 


竜脚類ほどではないにしても、巨大な体を持つティラノサウルス。羽毛の役割が体温維持だとすると、「ティラノサウルスに羽毛は、さほど必要ないのでは?」といえます。

 

これらの、「近縁種には羽毛が生えていた」「ティラノ自体は羽毛の必要性がない」ということから、「ティラノサウルスはウロコに覆われていたらしいが、部分的に羽毛が生えていた可能性がある」というのが有力な学説になっているようです。

 

 

ティラノサウルス科の、羽毛にまつわる進化の過程

 

ティラノサウルス科の恐竜は、白亜紀前期ころに登場したと考えられています。初期は小型でした。他の小型獣脚類と同様、一度は羽毛を獲得していたと考えられます。

 

その後、ティラノサウルスの仲間は、大型化をたどっていきます。やがて大型種は体温維持の必要性が低くなり二次的に羽毛が退化、白亜紀後期のティラノサウルス類はウロコに覆われるようになった、というのが現在の学説のようです。

 

 

 

まとめ

 

ティラノサウルス羽毛説をめぐる論争は、一旦、ウロコ基調ということで結論づけられているようです。

 

全身ウロコだったのか、一部は羽毛だったのか、今後の発見が待たれますね。

 

それではまた。