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世界一高価な物質ランキング【2022年版】

金、銀、ダイヤモンド。皆さんはどんなイメージを持ちますか?ポケモンの話じゃありませんよ。そう、とても高価なものですよね。

 

ところで、この世界で最も高価な物質とは、何なのでしょうか?

この記事では、世界一高価な物質、及び世界一高価な物質ランキングについて紹介していきます。 

 

 

世界一高価な物質ランキング

 

10位 LSD   33万円/g

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LSDは、植物を原料に作られる、半合成の幻覚剤です。非常に強力で、感覚や感情が変化し、いちど服用すれば12時間ほどトリップ状態になります。

 

1960年代には大衆の間に広まり、アートや音楽に影響与えましたが、服用中の事故が相次ぎ、規制の方向に。現在では世界的に法規制の対象になっています。

 

違法であること、生成が難しいことなどが効果である原因のようです。

 

ダメ、ゼッタイ。

 

 

9位 プルトニウム 44万円/g

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プルトニウムは、放射性元素の1種で、レアアース。1952年に、ウラン鉱石中に微量に存在することが発見されるまでは、完全な人工元素と考えられていました。

 

高い放射性を有する元素ゆえ、その主な用途は原子力発電、核兵器などに限定されます。以前はペースメーカーの電池としても利用されていましたが、現在では禁止されています。

 

発がん性が非常に高い危険な元素で、「かつて人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性を持つ」とも言われます。

 

プルトニウムという名前ですが、当時太陽系の惑星に含まれていた、冥王星プルートに由来しています。原子番号が92のウラン、93のネプツニウムが、それぞれ天王星、海王星に由来していたことから、94のプルトニウムは冥王星にちなみ命名されました。

発見されたのが現在なら違う名前になっていたことでしょう。

 

 

8位 ターフェアイト 220万円/g

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ターフェアイトは、淡い紫の美しい宝石。1968年までカットされた4つの宝石しか知られていなかったほど、希少なものでした。

 

その後、スリランカの岩石層の中で発見され、現在ではタンザニアや中国でも産出されています。

 

もともとはスピネルという別の宝石と考えられていました。そのスピネルも、レッドスピネルといわれる赤いものは、ルビーと混同されていた過去があります。見た目じゃわからないものですね、宝石も人間も。

 

 

7位 ベニト石 275万円/g

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ベニト石は、ブルーダイヤモンドとも呼ばれる、非常に希少な鉱物。当初はサファイアだと考えられていました。

 

名前は発見された地名、アメリカはカリフォルニア州、サンベニト郡に由来しています。現在ではカリフォルニア州の宝石に指定されています。

 

紫外線を当てると光ります。

 

 

6位 トリチウム 330万円/g

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トリチウムはさんじゅう水素とも呼ばれる、水素の同位体。宇宙線の作用により大気中で作られ、水の中にも微量に存在します。

 

放射性物質には分類されますが、エネルギーが低い、半減期が短いなどの理由から最も毒性の低い放射性物質の1つと考えられています。

 

現在の主な用途は、核兵器、中性子発生装置、核融合炉などです。

 

飲料水や雨などあらゆるところに存在するトリチウム。もしトリチウムが危険なら、われわれは生きていけないどころか、生物の進化そのものさえ変わっていたかも知れませんね。

 

 

5位 ダイヤモンド 605万円/g

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お待ちかねダイヤモンド。意外なことに、ダイヤモンドは特に希少と言う訳ではありません。ダイヤモンドより希少な物質はたくさん存在します。

 

それでも人類にとってダイヤモンドは高価な物質。これは、様々なメディアの中で、ダイヤモンドが美しいもの、価値のあるものとして宣伝されてきたからでしょう。みんなが欲しがれば価値が上がる、人間社会なんてそんなもの。

 

非常に硬く普通の方法では壊せないと思われがちですが、これは摩耗やひっかき傷に対する強さの話。瞬時の衝撃や熱には弱く、ハンマーで叩く、燃やすなどで簡単に破壊されます。気をつけましょう。

 

あと、ダイヤモンドの価格は品質や時価により幅があります。レッドダイヤモンドなど、色のついているものは、もっと高価とみなされます。

 

 

4位 カリホルニウム 2億7500万円/g

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カリホルニウムは、非常に高価であるとともに、恐ろしいほどに危険な化学物質としても知られています。

 

カリホルニウムを使った小型の核爆弾の研究がされていたことがありますが、あまりに高価なため、兵器としては非現実的とされているようです。こうした背景から、SFでは、しばしば兵器として登場します。

 

現在の用途は、非破壊検査、普通の放射線治療ではあまり効果がない脳や頸部のがんの治療など。

 

 

3位 バックミンスターフラーレン 165億円/g

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バックミンスターフラーレンは、サッカーボールのような構造の分子。その有用性から魔法の分子とも呼ばれており、発見者4名は1996年ノーベル化学賞を受賞しました。構成元素は炭素です。

 

結合する炭素原子からなる大きな籠のような構造ゆえに、内部空間が広く、どんな元素も反応せずに保存していくことが可能。この特性ゆえ、絶縁体、伝導体、半導体、超伝導など、さまざまな利用法があり、この有用性が高価な理由と言われています。

 

名前は、この分子の形に似たジオデシックドームの考案者、リチャード・バックミンスター・フラーに敬意を表し命名されました。富士山レーダーとかがこの形です。

 

 

2位 フランシウム 1100億円/g

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フランシウムは、地球の地殻中に20から30グラムしか存在しないと言われる、極めて希少な元素。

 

自然界にもほとんど存在しない上、合成するのが困難。さらに、非常に崩壊しやすく、1時間以内になくなってしまいます。

 

こうした理由から現在のところ、商業的な用途は見つかっていません。

 

ちなみに、フランシウムの存在は、1870年に既に提唱されていましたが、ご発見を繰り返された歴史があります。ようやく発見されたのは、ずっとあとの1939年のことになります。

 

 

1位 反物質 6875兆円/g

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反物質は、普通の物質と正反対の性質を持つ粒子でできた物質のこと。電子や中性子などすべての粒子には、真逆の性質を持つ相棒のような反粒子が存在します。そして、物質と反物質は、同時に存在し得ません。出会うと互いに打ち消しあい、消滅してしまうからです。

 

地球に反物質を存在させるためには天文学的な費用がかかると言われています。

 

現在、反物質は、粒子加速器で作ることには成功しています。しかし、物質と出会うと消滅してしまうため普通の容器では保存できず、電磁界で保存しなければなりません。それでも、保存に成功した期間は最長で405日。

 

反物質に値段はありませんが、NASAによる見積もりだと、1グラムで62.5兆ドルとされています。頭がおかしくなりそうですね。

 

将来的には、宇宙開発や医療用の画像処理、落下してくる隕石を破壊するなど、様々な利用方が考えられています。

 

 

 

番外編

 

金 6200円/g

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人類の歴史の中で価値のあるものの代表として扱われる、金。経済によって価値あるものにも紙切れにも変わるお金と違い、金は美しさに基づいた絶対的で本質的な価値を持ちます。

 

それでも、金と比べて比べ物にならないくらい高価な物質は、たくさんあります。

 

 

オガネソン 4穣円/g?

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オガネソンは、現在知られている中で最大の原子番号および原子量を持つ元素。自然界には存在しない、人工的に作られた合成元素です。


10mgのカリホルニウムに100日間、2×10の19乗個のカルシウムイオンを照射し続けて、ようやく一個のオガネソン原子が生成できた、というほとんど幻のしろもの。

 

定かではありませんが、4穣円と言う情報も。ただし、この希少性に関しては、オガネソンだけに限った話と言うより、原子番号の大きい合成元素や未発見元素に通じて言えることでしょう。

 

ちなみに、これほど苦労してようやく1個得られたオガネソンの原子番号は、118。理論上存在しうると言われる最後の元素、ウンセプトトリウムは原子番号173です。気が遠くなる話です。

 


今回は、以上です。別の記事でお会いしましょう。