昆虫。地球上のあらゆる生物種の半分以上を占め、最も繁栄を誇っている存在。
発見されているだけでも100万種を超える世界の昆虫の中で、「世界最大の昆虫」はどの種類なのでしょうか?
昆虫好きには堪らない、この話題について深掘りしていきましょう。
世界最大の昆虫候補
それではまず、世界最大の昆虫候補となる候補者たちをご紹介していきましょう。
世界最大の昆虫候補【甲虫目】
ヘラクレスオオカブト
From:中南米
誰もが知るカブトムシの王様・「ヘラクレスオオカブト」。角を含めた体長は最大181mmまでに成長し、甲虫目の中では最長記録となります。とはいえ大型の個体では体長の半分以上を胸角が占めています。
ヘラクレスオオカブトは地域変異が大きいことで知られています。マニアの間では各個体群のファンがおり、飼育も盛ん。特に大きくなるのが「ヘラクレス・ヘラクレス」次いで「ヘラクレス・リッキー」と呼ばれる個体群です。
ちなみにヘラクレスオオカブトといえば、黄色い前翅のイメージがある方が多いと思います。ところが野生下では湿度の高いジャングルに生息しており、真っ黒。濡れると色が濃くなり、湿度によって色が変わるのも面白いですね。
種小名はギリシャ神話の英雄「ヘラクレス」から付けられました。
マルスゾウカブト
From:南米
続いてもカブトムシ。50gを超える世界最重量級のカブトムシとして知られる大型ゾウカブト属。その中でもギネス記録でトップを誇るのが「マルスゾウカブト」です。
角を含めた体長では最大140mmほど、ヘラクレスオオカブトには及びません。しかしながら、角を除いた純粋な体の大きさや体重ではヘラクレスを上回ります。
真っ黒なボディ、戦闘的に突き出す尖った胸角など、迫力満点。ローマ神話の軍神「マルス」の名にふさわしいたたずまいですね。
ゴライアスオオツノハナムグリ
From:アフリカ
全ての昆虫の中で最も重いのが、「ゴライアスオオツノハナムグリ」。その体重は100gを超えます。先ほどのゾウカブトが50gでしたので、なんと2倍ですね。
本種が生息するアフリカには大型のカブトムシがあまりおらず、ハナムグリの天下。特に大きくなる本種は、角が短いにも関わらず最大で体長110mmほどにまで達する超巨体です。世界最大級のカブトムシに勝るとも劣りません。
ちなみに日本で見られるカナブンも同じ仲間。カナブンでも当たったら痛いのに、コイツにぶつかったら流血モノですね、、
種小名は旧約聖書に登場する巨人兵「ゴリアテ」に由来します。
タイタンオオウスバカミキリ
From:南米
ボディ部分の大きさだけに注目したら、甲虫目で断トツに大きいのは「タイタンオオウスバカミキリ」です。太短い大顎を含めた体長は最大167mm。長さ記録ではヘラクレスオオカブトに一歩譲りますが、体本体の大きさでは遙かに本種の方が巨大です。
大人の両手のひらにも収まらない、昆虫であることを忘れさせられるレベルの大きさ。ここまでデカいと虫感がないので、逆に虫嫌いでも触れるのでは…?とか思ったり。
こんなに見つけやすそうにも関わらず、生態は未だ多くが謎に包まれています。
種小名はギリシャ神話の巨神族「タイタン」に由来します。
世界最大の昆虫候補【鱗翅目】
アレクサンドラトリバネアゲハ
From:パプアニューギニア・オロ州
世界最大の蝶として有名な「アレクサンドラトリバネアゲハ」、最大で開長280mmに達するといわれています。本種が最初に採集された時、あまりに巨大すぎて鳥と見間違えられ、散弾銃で撃ち落とされたという逸話もあるほど。
近年、環境破壊や過剰な採集の影響で個体数が減少しており、保護対象となっています。
もちろん幼虫も巨大です。
種小名はイギリス王妃「アレクサンドラ妃」の名が冠せられています。
ゴライアストリバネアゲハ
From:ニューギニア
アレクサンドラトリバネアゲハと並び世界最大級の蝶として知られているのが「ゴライアストリバネアゲハ」。開長ではアレクサンドラに一歩譲りますが、翅の表面積では本種の方が大きいとされています。
アレクサンドラトリバネアゲハの個体数減少に伴い、本種が世界最大の蝶として紹介されることも多くなっています。
種小名は旧約聖書の巨人兵「ゴリアテ」から。
カエサルサン
https://nekoarena.blog.fc2.com/blog-entry-3626.html
From:東南アジア
世界最大の鱗翅目ともいわれるのが「カエサルサン」。日本最大の蛾として有名な与那国島に生息する「ヨナグニサン」よりさらに巨大です。
開長は最大300mmに達すると言われ、さらには縦の長さも巨大。翅全体の表面積は鱗翅目でトップでしょう。
前翅の先端の模様はヘビに擬態していると言われています。
あまりに大きなこの仲間の蛾は、怪獣「モスラ」のモデルとしても知られています。
種小名は古代ローマの英雄「カエサル」から名付けられました。
ナンベイオオヤガ
From:南米
開長において鱗翅目最大とされるのが「ナンベイオオヤガ」。最大300mmを超えると言われています。
翅自体は比較的細長いので、カエサルサンに比べると全体的には一歩譲る印象です。
世界最大の昆虫候補【バッタ目】
フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ
http://j.people.com.cn/n3/2017/1106/c94638-9289134.html
From:中国
世界最長の昆虫としてギネス認定された中国の巨大ナナフシ「フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ」。2014年に中国南部で発見されたその巨大な虫は、体長が624mmにも達していました。
発見当時に確認されていた昆虫全80万7625種の中で最長であると認定され、ギネス記録に。
発見者ツァオリーを称え、種名に発見者の名前にちなみ「ツァオ」が付けられました。
世界最大の昆虫は?
さて、猛者共が出揃いました。いよいよ世界最大の昆虫を決めていきましょう。
世界最大の昆虫【体積部門】:タイタンオオウスバカミキリ
http://karapaia.com/archives/52134650.html
世界最大の昆虫、体積部門の映えある1位は「タイタンオオウスバカミキリ」です。
ボディの大きさは圧倒的で、本種を上回るものは現時点では知られていないでしょう。
体重の記録については残念ながら確認できるものが見つかりませんでした。とはいえ、平べったいもののここまでデカいと、重さにおいても最大級なのではと予想できますね。
世界最大の昆虫【表面積部門】:カエサルサン
https://www.jiji.com/jc/d4?p=ins713-DSC_8858&d=d4_wrk
世界最大の昆虫、表面積部門の映えある第1位は、「カエサルサン」です。
鱗翅目の中でも最大級の表面積を誇る翅は、昆虫類の中でも右に出る者はいないでしょう。
まさに実在するモスラですね。
世界最大の昆虫【長さ部門】:フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ
http://j.people.com.cn/n3/2017/1106/c94638-9289134.html
世界最大の昆虫、長さ部門の映えある第1位は「フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ」です。
ギネス記録に認定されているこの巨大ナナフシは、正真正銘の体長世界一ですね。
世界最大の昆虫【体重部門】:ゴライアスオオツノハナムグリ
世界最大の昆虫、体重部門の映えある第1位は「ゴライアスオオツノハナムグリ」です。
アフリカの覇者とも言えるこの巨大ハナムグリは、パッと見の大きさはヘラクレスオオカブトやマルスゾウカブトと同じくらいですが、密度が圧倒的なようですね。
同じ仲間のカナブンも、確かにずっしりしている気がします。
世界最大の昆虫【総合優勝】:タイタンオオウスバカミキリ
http://karapaia.com/archives/52134650.html
世界最大の昆虫選手権、総合優勝は、「タイタンオオウスバカミキリ」。
「最大」にも色んな物差しがありますが、「デカさ」という意味において、優勝に最もふさわしいのは本種なのではないでしょうか?
今回の選手権では、昆虫界の巨神に「世界最大の昆虫」の称号を授けるとしましょう。
世界最大の昆虫は「タイタンオオウスバカミキリ」に決定
世界最大の昆虫は「タイタンオオウスバカミキリ」ということにさせていただきます。
ちなみに時代を遡ると、中生代に生息していた巨大トンボ「メガネウラ」が有名。それに比べて現代では、昆虫のサイズは小さくなっています。空気中の酸素濃度、天敵となる哺乳類の数など、原因とされる仮説はいくつかあります。虫嫌いにとっては、現代はそういう意味ではありがたいのかもしれませんね。
今回は「世界最大の昆虫」というテーマで、昆虫の奥深い世界を覗いてみました。これまで敬遠していた方も、少しでも興味を持つきっかけになってくれたら嬉しいです。
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